サイフ、小銭入れ、カードケース、ケータイ、シグマリオン、本、リップ、ハンドクリーム、肌水、油取り紙、ヘアワックス、ガム…。私は何処へ行くにもゴチャゴチャと小物を持ち歩く。だから使い勝手のいいバッグが手放せない。

定番的なトコロで言えば、吉田カバンなんかその代表格だろう。多くの素材を駆使し、使い勝手のいいバッグを、比較的手の届きやすい価格帯で提供している。取扱店が多く、入手しやすいのも小学生(!!)からサラリーマンまで幅広い層から支持を受ける理由だろう。

私も大学時代、吉田カバンのフライトジャケットを模したモデルであるタンカーの3wayバッグを愛用していた。そのバッグはセイジグリーンのアウターシェル、インナーカラーにレスキューオレンジを採用するなど、「ちょいマニア」の心をくすぐる造りだった。アウターシェルはフライトジャケットとは趣を違えるところがあったが、実際に使用してみても非常に軽くて使い勝手が良く、満足していた。しかし1年ほど使い続けるとボタンの塗装ハゲ、アウターシェルのケバ立ちなど、「あ〜、惜しいなぁ」と思う点も出てきた。まぁバッグは毎日持ち歩き、消耗品の側面もあるから仕方ないかな、と納得しかけた時。
私は出会ってしまったのだ、ハーヴェスト・レーベルに。

98年私が大学三年の時、四条河原町の阪急百貨店の4階に小さいながらもハーヴェスト・ショップがオープンした。フラフラとSALE商品をあさりに来ていた私はハーヴェスト・レーベルのバッグに衝撃を受けた。中でも、Flyer'sは私を虜にした。圧倒的なアウターシェルの質感、ジッパー開閉時の音と感触!!!その時使っていたタンカーの3wayバッグで感じた「惜しい」がすべて高いレベルでクリアされており、心底驚嘆した。

そもそもハーヴェスト・レーベルは山口幸一氏が『作物を収穫するような喜びが感じられる、心豊かなモノ作り』を標榜し、立ち上げたブランドである。吉田カバンのタンカーを手がけたデザイナーとして有名だったが、さらなるコダワリを実現するために独立、我々に心底満足できるバッグを提供してくれている。が、当然のようにコダワリの品質に従って価格も学生にとってはなかなか立派なものであり、その時はバッグを諦めて小銭入れを購入した(泣)

レッドウイングのブーツ、ウエアハウスのジーンズなど他に欲しい物もあったため、取りあえずは地道にハーヴェスト貯金に励んだ(笑)それだけに惚れ抜いたモノを購入できた喜びは一層大きかった。購入したその日、やたらジッパーを開け閉めして喜んだのを覚えている。初期のモデルでコンマーのジッパーを使用したモデルも見受けられたが、現在はハーヴェスト・ネームのオリジナルを使用している。

当然、毎日使い込んだ。日々晴天、風雨に晒されるにつれてアウターシェルがいい具合にくたびれてくる。


アウターシェルはMIL-J-8279に従って製造された生地であり、圧倒的な強度と質感を誇る。さすがはフライトジャケット造りの第一人者であるザ・リアルマッコイズから提供された生地だけはある。またジッパーを始め、私が惚れ込んだメタルパーツはFEDスペックに合致した軍用の物を基準としたものであり、使用に伴ってガバメント・ブラックが色褪せ、少しずつブラスの地金が顔をのぞかせる。またこれがタマラナイ味を出すのだ(笑)

ブラスと言えば、管楽器の材料(銅に対する亜鉛の含有量はもっと多いだろう)がイチバン有名だが、あれも使い込むアジが出るのだろうか?残念ながら身近に吹奏楽をやっている友人がいないため確認できていないが、もしご存じの方があればご一報くださいm(__)m